理学療法士・作業療法士で仕事が「つまらない」と思っているセラピストは結構いるんじゃないでしょうか?
理学療法士や作業療法士は、主に以下のような理由で仕事がつまらないと感じる人が多いです。
- 知識や技術を活かす機会がない
- やる気のない患者やリハビリ拒否が多い
- 時間やノルマに追われている
- 誰でもできるような業務も多い
- とことん努力が報われない
今回は理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じる理由と、その対策について解説していきます。
- 経験年数7年目の作業療法士
- 急性期~維持期まで全ての臨床経験あり
- 臨床実習指導者講習修了
- リハビリ業界の裏側に詳しいOT
Twitter:@リハネコ
- 理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じている人
理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じる理由
冒頭でも述べましたが、理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じる理由は、主に以下のような理由です。
PT・OTの仕事がつまらないと感じる理由
- 知識や技術を活かす機会がない
- やる気のない患者やリハビリ拒否が多い
- 時間やノルマに追われている
- 誰でもできるような仕事内容も多い
- 理学療法士・作業療法士は努力が報われない
私自身は今も現役の作業療法士ですが、ぶっちゃけ『リハビリの仕事がつまらない!』って思う理学療法士や作業療法士の気持ちには共感できます。
それでは理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じる理由について、それぞれ解説していきます。
つまらない理由①:自分の知識や技術を活かせる機会がない
理学療法士や作業療法士はせっかく勉強して自分のスキルを磨いても、その知識や技術を活かせない場合が多いです。
そんな環境で仕事がつまらないのは言わば当たり前です。
例えば、今まで学校や実習で学んだこと、国家試験の勉強で得た知識、あるいは講習会で徒手的な技術や臨床で使えるスキルなんかを学んだとします。
しかし、理学療法士や作業療法士が実際に働く現場によっては、時間に追われて一人一人の患者さんや利用者さんと満足に向き合えない、あるいは認知症でほとんど意思疎通ができないような人ばかりを相手にするということもありえます。
そもそも療法士の現場の中にはマッサージとの違いすら怪しいようなリハビリ現場もあります。
理学療法士・作業療法士としての知識や技術は、目の前の患者・利用者に実践できてこそ意味があるのです。
理学療法士や作業療法士としての知識・技術を活かしたい人は、リハビリの規模が大きい病院で働くのがおすすめです。
余談ですが、PT・OT・STでスキルアップしたいという方向けに、リハビリ職のための総合オンラインセミナー『リハノメ』というサービスがあります。
月額料金はかかりますが、動画などのコンテンツで効率よく知識や技術が学べるのでおすすめです。
つまらない理由②:やる気のない患者やリハビリ拒否が多い
理学療法士や作業療法士はそもそもリハビリのやる気がない人や、PT・OTの介入自体を拒否する患者を相手にすることも多いです。
理学療法・作業療法を必要としている人がいて、そういう人達の手助けができるやりがいのある仕事という一面もありますが、中にはこういった介入困難な実態もあります。
このように、自分の思うようなリハビリができなければ『つまらない』と感じる人は多いと思います。
当たり前ですが、どんなにスキルのある理学療法士・作業療法士でも、そもそもまともな介入ができなければ改善は期待できません。
介護分野の職場であれば現状を需要できている明るい利用者が多いため、リハビリ拒否等も少ないです。
介入拒否・やる気のない患者の相手が嫌だと思う人には、介護分野でのリハビリがおすすめです。
つまらない理由③:時間やノルマに追われている
理学療法士や作業療法士の仕事がつまらないと感じる理由は、『時間やノルマに追われている』というのも挙げられます。
理学療法士・作業療法士が働く職場では1日に算定する単位数のノルマが決められているところも多いです。
結果、時間に追われて一人一人の患者や利用者とじっくり向き合えなかったり、単位数ばかりを気にしてしまうということになれば、仕事がつまらないと感じます。
時間やノルマに追われたくないという理学療法士や作業療法士は、回復期リハビリテーション病院で働くのがおすすめです。
回復期リハビリテーション病院では3単位(1時間)でリハビリを実施していく場合が多く、1日で介入する患者の数も少ないので一人の対象者とじっくり向き合える環境です。
つまらない理由④:誰でもできるような仕事内容も多い
理学療法士や作業療法士が実施する業務は、ぶっちゃけ誰でもできるような内容のものも多いです。
例えば
- 歩行訓練
- マシーンや重りを使った運動や筋トレ
- リラクセーションという名のマッサージ
- 座位保持や車椅子への移乗
etc.
それぞれ解説していきます。
歩行訓練
歩行訓練とは名ばかりで、ただ歩かせているだけのようなリハビリも現場では横行しています。
院内や施設内、平行棒などで見守りや軽介助で歩かせている。あるいは屋外歩行訓練と称して、一緒に散歩をしているだけという場合もあります。
ぶっちゃけ歩かせるだけならだれでもできますし、なんなら介護スタッフとの差別化も難しいです。
このように誰でもできるようなリハビリ内容だと、専門性を発揮できず『つまらない』と感じる理学療法士や作業療法士は多いでしょう。
マシーンを使った運動や筋トレ
マシーンを使った運動や筋トレなども、別に理学療法士や作業療法士でなくても誰でもできます。
マシーンは操作方法を覚えたら誰でもできますし、なんなら元気な患者や利用者であれば自分で実施できてしまいます。
患者や利用者が実施している際、理学療法士や作業療法士は見ているだけなのでつまらないと感じる人も多いと思います。
リハビリはそのうち機械で代用されると言われているけど、本当にその時代がすぐそこまで来ているかもしれませんね。
リラクセーションという名のマッサージ
理学療法士や作業療法士が行うメニューの中に、『リラクセーション』という単語がよく出てきます。
しかし、実際のところマッサージとの違いすら怪しいんですよね。
デイケアやデイサービスなどで働く理学療法士・作業療法士は、基本的にこのリラクセーションという名のマッサージをひたすら実施していくところがほとんどなので、『つまらない・面白くない』と思う人も多いのが実態です。
座位保持や車椅子への移乗
特に急性期や療養型の病院に多いのですが、寝たきりになっている人を起こしたり車椅子へ座らせたりというリハビリは介護スタッフでもできます。
一応リスク管理の観点から理学療法士・作業療法士などのリハビリ職の専門業務となっていますが、ぶっちゃけ業務自体は介護に近いのです。
もちろん寝たきりの人を起こしていくのはリハビリ的に重要なことですが、介護要素の強い業務であるために『つまらない』と感じる理学療法士や作業療法士は多いです。
つまらない理由⑤:理学療法士・作業療法士は努力が報われない
理学療法士や作業療法士は生涯学習が必要な職業と言われていますが、勉強してスキルアップしたとしても評価されない環境であり、とことん努力が報われません。
悲しいことに、リハビリ職は経験年数に関係なく算定できる診療報酬・介護報酬が一定です。
つまり、新人でもベテランでも売り上げに差が出ないので給料に差をつけることが難しいんですよ。
そのため売り上げという観点から見れば、能力のない新人だろうがスキルのあるベテランだろうが雇用主である病院や企業からすれば同じ評価です。
理学療法士・作業療法士の給料については、以下の記事で詳しく解説しています。
» 理学療法士・作業療法士の給料は安い?|給料が安い理由と給料を上げる方法
さらには上述したように『知識や技術を活かす機会がない』、『やる気のない患者やリハビリ拒否が多い』、『時間やノルマに追われている』、『誰でもできるような仕事内容も多い』などの実態があるため、理学療法士・作業療法士のスキルアップは【趣味】と【仕事】の境界線が怪しくなっています。
経験を積んでスキルアップしていっても、それが給料に反映されないので『仕事がつまらない・面白くない』と感じる理学療法士・作業療法士は多いです。
理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じた時の対策
「理学療法士・作業療法士の仕事ってつまらないな…」
そんな時はどうしたらいいのか?
結論から言うと、転職して環境を変えてみるのがおすすめです。
もし療法士の仕事が「つまらない・面白くない」と感じているのであれば、そのままではきっと状況は変わりません。
理学療法士や作業療法士が活躍できる職場は『病院やクリニック』『老健』『デイケア・デイサービス』『訪問リハビリ』など多岐に渡りますし、業務内容や職場の雰囲気もそれぞれ全くと言っていいほど異なります。
なので『職場がつまらない・面白くない』、『雰囲気が合わない』などの理由で転職する人がいくらでもいる業界です。
また、後ろ向きな理由だけでなくスキルアップや経験を積みたいなどの前向きな理由で転職する人も多いです。
むしろ、1つの職場で療法士という仕事を判断するのは早すぎると思うので、他の職場も経験してみるべきだと思います。
とにかく違う場所でも働いてみて、見識を広げることをおすすめします。
実際に臨床現場で働いて色々知っていくと「もっと凄い仕事だと思ってた」、「思っていた仕事内容と違った」っていうことはあるかと思います。
でもこれって、ほんの一面です。
他の場所での理学療法・作業療法も経験することで、きっと自分に合った環境や働き方が見つかるはずです。
理学療法士・作業療法士がつまらない:まとめ
今回は作業療法士・理学療法士の仕事が『つまらない・面白くない』と感じている方向けに、つまらないと感じる理由と対策について解説しました。
理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じる理由は?
- 知識や技術を活かす機会がない
- やる気のない患者やリハビリ拒否が多い
- 時間やノルマに追われている
- 誰でもできるような仕事内容も多い
- 理学療法士・作業療法士は努力が報われない
理学療法士・作業療法士の仕事がつまらないと感じた時の対策は?
- 環境を変える(転職する)
PT・OTの仕事がつまらないと感じたら、とにかく違う場所でも働いてみて見識を広げてみることをおすすめします。
理学療法士や作業療法士が活躍できる職場は『病院やクリニック』『老健』『デイケア・デイサービス』『訪問リハビリ』など多岐に渡りますし、業務内容や職場の雰囲気もそれぞれ全くと言っていいほど異なります。
結局のところ「理学療法士や作業療法士がつまらない」と感じるのは、今の職場が自分に合っていないだけです。
PT・OTが理想の職場を見つける方法について、以下の記事で詳しく解説しています。
» PT・OTで理想の職場を見つける方法【条件別におすすめの職場を解説!】