「作業療法士1年目だけど、正直もう辞めたい」
「1年目で辞めても大丈夫なのかな…」
国家試験に合格して無事に作業療法士になれたものの、1年目の内に辞めたいと思う作業療法士ってめちゃくちゃ多いなと感じます。
(かく言う私もその一人でした)
まず結論からお伝えしておくと、作業療法士は1年目で辞めても全然OKです。
今回は『作業療法士を1年目で辞めるのはありなのか?』について解説していきたいと思います。
1年目で作業療法士を辞めたいと思っている人向けに、辞めたくなる理由とその対策までお伝えしていきますので、ぜひ最後まで読んでみて下さい。
- 児童養護施設出身の現役療法士
- 転職で年収350万→年収550万
- 世帯年収1000万円越え
- 副業月収7万円越え
- 臨床実習指導者講習修了
- 急性期~維持期まで全ての臨床現場を経験済み
Twitter:@リハネコ
- 作業療法士1年目で辞めたいと思っている人
- 作業療法士を1年目で辞めていいのかどうか悩んでいる人
作業療法士を1年目で辞めるのはありなのか?
冒頭でも述べましたが、作業療法士は1年目で辞めても大丈夫です。
なぜなら、そもそもOTを1年目で辞める人は全然珍しくないし
他職種と違ってたとえ1年目で辞めたとしても、すぐに新しい環境で復活できるからです。
だから辞めたければ辞めちゃえばいいんです。
詳しく解説していきますね。
作業療法士を1年目で辞める人は珍しくない
厚生労働省で公開されている新規学卒者の離職状況によると、大学卒の人の1年目の離職率(作業療法士以外の職種も含む)は約10数%前後で推移しています。
つまり、このグラフから見ると全産業を含めて約10人に1人くらいは1年目で辞めているということです。
さらに、下記の図は就職後3年以内の離職率を産業別に表したものですが、医療・福祉の離職率は全体平均を超えています。
このことから、医療・福祉における1年目の離職率も平均以上に高くなっていることが予測されますよね。
要するに、作業療法士を1年目で辞めたいと思うことは特別珍しいことではありません。
実際に私の周りでも作業療法士1年目で職場を辞めた人は普通にいますし、1年目で別の職場から転職してくる人もいました。
辞めたいと思っている職場で働き続けて消耗していくぐらいなら、早い内に見切りをつけて1年目で辞めるのも全然ありだと思います。
作業療法士は1年目でも転職がしやすい
「作業療法1年目でも辞めてOK」な理由の2つ目は、1年目でも転職活動が容易にできるからです。
1年目であろうと採用前提の求人も多いので、はっきり言って転職活動が超絶ぬるいんですよね。
たとえ作業療法士を1年目で辞めてしまっても、次の職場はすぐに見つかります。
また、リハビリ界隈は転職する人がいくらでもいる業界ですので、辞めたいと思っている職場で無理に頑張り続けて消耗する必要はありません。
早めに自分に合った他の職場へ移って、気持ちよく働いた方が絶対に良いです。
どうせ辞めてもすぐに新しい環境で復活できるので、あまり考えすぎずに辞めたいと思ったタイミングで辞めた方が楽ですよ。
また、他職種への転職を考えている方は、以下の記事を参考にしてみて下さい。
作業療法士を1年目で辞めたいと思う理由
作業療法士を1年目で辞めたいと思う理由は、ほとんど以下の5つに分類されます。
- 思っていた仕事内容と違った(理想と現実のギャップ)
- 作業療法士に向いていないと感じた(適性の問題)
- 職場の人間関係が苦痛
- 職場の雰囲気が自分に合っていない
- ブラック企業だった
それぞれ解説していきます。
辞めたい理由①:思っていた仕事内容と違った(理想と現実のギャップ)
辛い実習と国家試験を乗り越えて念願の作業療法士になったものの、いざ現場で働き始めると思っていた仕事内容と違ったというのはよく聞く話です。
例えば
- 理学療法士との区別がつかないような機能訓練ばかり
- マッサージとの違いすら怪しいようなリハビリ
- 認知症ややる気のない患者ばかりを相手にしている
- 単位数ノルマのためにリハビリが必要でない人にも実施
このような作業療法士の実態に、実際に現場で働きだしてから徐々に気付いていく人も多いと思います。
作業療法士としての知識や技術が活かせなかったり、専門性が発揮できない。そんな環境下で働いていると1年目で辞めたいと思っても何ら不思議ではありません。
以下の記事で作業療法士の本音について語っているので、よければ参考にしてみて下さい。
» 理学療法士・作業療法士の仕事の本音|PT・OTのメリット・デメリットと仕事の本音を語る
辞めたい理由②:作業療法士に向いていないと感じた(適性の問題)
作業療法士として実際に現場で働き始めてから、『自分には向いていない』と感じる人も非常に多いです。
具体的には
- コミュニケーションが苦手
- どんな作業療法をすればいいのか分からない
- 自分だけミスやクレームが多い
- 業務が忙しくてついていけない
- やりがいを感じない
などなど。
1年目であれば仕事が完璧にできていなくて当たり前なんですが、中には精神的に追い詰められて辞めたいと思ってしまう人もいるのが現状です。
そういう人には、『違う分野で働いてみる』というのをおすすめしたい。
作業療法士と一言で言っても、働ける職場は病院やクリニックなどの医療機関、デイケア・デイサービス、老健、訪問リハビリ、小児分野、精神分野など多岐にわたります。
それぞれの分野ごとに職場の雰囲気や業務内容も大きく異なるので、今の職場で向いていない・辞めたいと思っていても他の職場(分野)であれば上手くやっていける可能性は十分にあります。
以下の記事も参考にしてみて下さい。
» PT・OTで理想の職場を見つける方法【条件別におすすめの職場を解説】
余談ですが、リクナビNEXTのグッドポイント診断を使えば、自分がPTやOTに向いているかどうかが一発で分かります。
質問に答えていくだけで、自分の『強みや適性』がなんなのかをAIが診断してくれるという面白いサービスです。
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辞めたい理由③:職場の人間関係が苦痛
『作業療法士1年目だけど、職場の人間関係が嫌で辞めたい』っていうのも割とよく聞く理由です。
人間関係の中でも、作業療法士1年目の場合は特に『上司との関係が苦痛』というケースが多いのようですね。
昔に比べると最近は大分少なくなってきましたが、元々リハビリ業界はパワハラやモラハラが横行していた業界。
なので、今でも高圧的でパワハラやモラハラまがいのことをする上司というのは実際に存在します。
そして、たちの悪いことに上司からしたら自覚がない場合もあるんですよね。
その上司も若手の頃に自分がそうやって教えられてきたので、後輩にも同じように指導しているという昔ながらの昭和理論。
そういったハズレの上司に当たってしまったら、辞めたいと思うのは当然だと思います。
パワハラ・モラハラ上司というのは基本的に自覚がないため、まともに相手にしない方がいいですよ。
不良品のロボット、くらいに思っておきましょう。
人間関係が上手くいかない中で無理に頑張り続けても精神的に疲弊するだけなので、たとえ作業療法士1年目だろうが環境を変えるのが得策です。
辞めたい理由④:職場の雰囲気が自分に合っていない
『職場の雰囲気が自分に合っていない』というのも、1年目の新人作業療法士が辞めたくなる理由の一つです。
職場の雰囲気が自分に合わないと感じる要因は、『頼れる同期や先輩がいないから』です。
作業療法士1年目というのは、まだまだ右も左も分からず手探りで仕事をしている段階。
そんな時期に、仕事の相談や本音で話せる相手がいなければ辞めたくなるときもあるでしょう。
職場というのは人生の大半を過ごす場所ですからね。
居心地が悪いと感じるようなら無理に頑張らず、たとえ作業療法士1年目でも辞めるのはありだと思いますよ。
その場合は同じ失敗を繰り返さないように転職エージェントを活用する、あるいは作業療法士の人数が多い職場へ転職するのがおすすめです。
【関連記事】
» 理学療法士・作業療法士におすすめの転職サイト(転職エージェント)3選!|ランキング形式で紹介!
辞めたい理由⑤:ブラック企業(病院)だった
新人作業療法士の中には、意図せずブラック企業(病院)に就職してしまったという人もいるでしょう。
例えば
- 残業代が出ない(サービス残業)
- 勉強会などで休日出勤する場合がある
- ハラスメントがある
残業代が出ない(サービス残業)
作業療法士が勤務できる職場では、まだまだ残業代が出ないところも結構ありますね。
特に急性期病院や総合病院などの職場は、業務量が多いのでどうしても残業になってしまうケースがほとんど。
残業代が出ないのに、業務時間外で勉強会をやっているなんていうブラックな職場も普通にあります。
残業代が出なければタダ働き同然なわけで、そんなブラック病院は作業療法士1年目だろうがさっさと辞めてしまいましょう。
勉強会などで休日出勤する場合がある
最近は昔と比べると減ってきていますが、業務時間外に休日出勤させられる職場も中には存在します。
私が過去に勤めていた総合病院でも、休日だろうが勉強会があれば半強制参加でした。
片道1時間かけて休日出勤していたのは、今思えばかなりヤバい状況ですね。
リハビリ業界には『勉強は義務だ!サービス残業や休日出勤は当たり前』みたいな風潮が、今でも部分的に残っています。
これって完全なやりがい搾取ですよね。
手当ても出ないのに休日出勤があるような職場は、さっさと辞めた方が得策でしょう。
ハラスメントがある
理学療法士や作業療法士は一昔前まではパワハラやモラハラなどのハラスメントが横行していました。
その頃のリハビリ業界で育ってきた人達は今でも現役ですから、ハラスメントが行われているようなブラックな職場も中には当然あります。
例えば以下のように、リハビリテーション科の主任が部下にパワハラを行って懲戒処分を受けた事例なんかも…
表に出てないだけでこういうのまだあるんだろうな。周りでもちらほら聞く。
この界隈まだまだブラックか?#理学療法士 #作業療法士 pic.twitter.com/jfvTXNowQR
— ひっぺー🐣OT|作業療法士×転職×副業 (@hii_hira923) February 13, 2021
もし少しでも「これってハラスメントじゃないの?」って思ったらまず周りの人に相談するべきですが、改善が難しいようなら精神的に死んでしまう前に早く新しい環境へ移った方が良いですよ。
作業療法士を1年目で辞めてもいいのか不安になってしまう理由
辞めたいと思っていても、『本当に1年目で辞めてもいいのか?』という不安から、なかなか決断できない人が多いです。
OTを1年目で辞めてもいいのか不安になってしまう理由2つ
- 1年目で辞めてしまうと今後の転職が不利になるのではないか?
- 今の職場を辞めても他の職場で上手くやっていける自信がない
それぞれ解説していきます。
1年目で辞めてしまうと今後の転職が不利になるのではないか?
『1年目で辞めてしまうと経歴にキズがつくのでは?』と不安になる新人作業療法士は多いでしょう。
しかし、作業療法士の場合は1年目で辞めても今後の転職が不利になることはほとんどないんですよね。
上述したようにリハビリ業界は前向きな理由、後ろ向きな理由も含めて転職する人がいくらでもいる業界です。
むしろ、1年目で辞めた理由が正当な理由なら『決断力がある』と評価されることもあります。
(意外と次の面接時のアピールポイントになったりしますよ笑)
実際に私の周りでも作業療法士1年目で辞めた人はたくさんいましたが、1年目で辞めたことが理由で転職に失敗したという話は聞いたことがありません。
さらに、リハビリ業界は若手が優遇される環境です。
だからその点は大丈夫ですね。
作業療法士の転職しやすいというメリットについては、以下の記事で詳しく解説してます。
» 理学療法士・作業療法士は就職・転職がしやすい
今の職場を辞めても他の職場で上手くやっていける自信がない
作業療法士を1年目で辞めてもいいのか不安になってしまう理由として、『今の職場を辞めた後に他の職場で上手くやっていける自信がない』というのが挙げられます。
これに関しては前向きに考えればOKです。
まず大前提として、辞めたいと思っている今の職場に居続けても、現状維持で状況は大きく変わらないでしょう。
しかし、辞めて他へ移れば状況が改善する可能性は高いです。
転職の失敗リスクを減らす方法については、以下の記事で解説していますのでぜひ参考にして下さい。
辞めるなら早いに越したことはありません。
作業療法士1年目で辞めたいと思った時の対策
作業療法士を1年目で辞めたいと思ったときの対策は、大きく以下の2つです。
- 自分が変わる(今の職場で頑張る)
- 環境を変える(転職する)
解説していきますね。
辞めたい時の対策①:自分が変わる(今の職場で頑張る)
作業療法士1年目で辞めたいと思っていても、辞めずに今の職場で頑張り続けることで改善が期待できるケースもあります。
特に上述した1年目で辞めたくなる理由の中でも、『作業療法士に向いていないと感じた(適性の問題)』が辞めたい理由なら、もう少し今の職場で頑張ってみてもいいかもしれません。
作業療法士1年目が『自分には向いていない』と感じる要因
- コミュニケーションが苦手
- どんな作業療法をすればいいのか分からない
- 自分だけミスやクレームが多い
- 業務が忙しくてついていけない
- やりがいを感じない
このような場合は、シンプルに作業療法士としての経験不足が原因だからです。
経験を積めば改善できる場合がほとんどですので、自分の成長過程と割り切ってもう少し頑張ってみるというのも選択肢の一つでしょう。
辞めたい時の対策②:環境を変える(転職する)
作業療法士1年目で辞めたいと感じる理由が以下のようなものなら、転職して環境を変えた方が得策な場合が多いです。
- 思っていた仕事内容と違った
- 職場の人間関係が苦痛
- 職場の雰囲気が自分に合っていない
- ブラック企業だった
職場環境が原因で辞めたいと思っている場合は、環境を変えることで改善できる可能性が高いでしょう。
作業療法士が働ける職場は病院やクリニックなどの医療機関、デイケア・デイサービス、老健、訪問リハビリ、小児分野、精神分野など多岐にわたりますが、職場の雰囲気や業務内容もそれぞれ全く異なります。
例えば病院勤務の中でも急性期病院・総合病院などは仕事が忙しい傾向にあるため残業がある職場も多いです。またスキルアップするには最適ですが、意識が高いような人が多く働いているというのもポイントです。
反対にデイケアやデイサービスは比較的ゆったりしている職場が多く、プライベートを充実させたい人、主婦や子育て中の療法士が多い傾向にあるので、そういう方に向いている環境と言えるでしょう。
訪問リハビリは基本的に1人で仕事をしている時間が長いので、黙々とマイペースに働きたいという人には向いていますね。
職場は生活時間の大半を過ごす場所ですから、自分が気持ちよく働けることが何よりも大切です。
自分を大切に、自分をまず第一に考えて、後悔のない選択をして下さい。
【関連記事】
作業療法士1年目が転職に失敗しないための注意点
作業療法士1年目が転職に失敗しないための注意点は以下2つです。
- 辞めたい原因をはっきりさせておく
- リハビリ職専門の転職エージェントを活用する
解説していきます。
辞めたい原因をはっきりさせておく
作業療法士を1年目で辞める際には、辞めたい原因をはっきりさせておくということが非常に重要です。
『自分は何が原因で辞めたいと思っているのか?』
ここがブレてしまうと転職活動は上手くいきません。
作業療法士を1年目で辞めたいと思う理由は上記で解説した通り、大抵が以下の5つに分類されます。
- 思っていた仕事内容と違った(理想と現実のギャップ)
- 作業療法士に向いていないと感じた(適性の問題)
- 職場の人間関係が苦痛
- 職場の雰囲気が自分に合っていない
- ブラック企業だった
辞めたいと思っている理由を明確にしておくことで『自分はどんな職場へ転職するべきなのか?』が分かります。
今一度、自分がなぜ辞めたいと感じているのかを整理してじっくり考えてみましょう。
転職エージェントを使うメリットは主に以下の4つです。
- キャリアアドバイザーが条件に合った求人を紹介してくれる
- 面接対策や採用されやすい履歴書・職務経歴書の書き方を教えてくれる
- 職場の内部情報(人間関係や残業の有無など)を教えてくれる
- 給与交渉などを積極的に行ってくれる
この中でも、特に職場の内部情報を教えてくれるというのがかなりメリットでしょう。
転職で失敗しないためには情報収集が非常に重要です。
情報収集を怠って転職すると、せっかく今の職場を辞めて新しい環境へ行っても『また辞めたい』と二の舞を踏むことになりかねませんからね。
転職エージェントってこれだけのメリットがありながら、無料で利用できるんですよね。
転職活動を一人で行うのは非常に非効率なので、転職エージェントをぜひ活用してみて下さい。
まとめ:作業療法士1年目で辞めたい人へ(総括)
今回は1年目で作業療法士を辞めたいと思っている人向けに、『1年目でも辞めるのはありなのか?』と『辞めたくなる理由とその対策』について解説しました。
作業療法士1年目でも辞めて大丈夫な理由
- 作業療法士を1年目で辞める人は珍しくない
- 作業療法士は1年目でも転職がしやすい
作業療法士を1年目で辞めたいと思う理由
- 思っていた仕事内容と違った(理想と現実のギャップ)
- 作業療法士に向いていないと感じた(適性の問題)
- 職場の人間関係が苦痛
- 職場の雰囲気が自分に合っていない
- ブラック企業だった
作業療法士を1年目で辞めてもいいのか不安になってしまう理由
- 1年目で辞めてしまうと今後の転職が不利になるのではないか?
- 今の職場を辞めても他の職場で上手くやっていける自信がない
作業療法士を1年目で辞めたいと思った時の対策
- 自分が変わる(今の職場で頑張る)
- 環境を変える(転職する)
作業療法士1年目が転職に失敗しないための注意点
- 辞めたい原因をはっきりさせておく
- リハビリ職専門の転職エージェントを活用する
本記事の総括です。
まとめると、作業療法士1年目というのは慣れない仕事や業務で疲弊する人が多いですが、辞めたいと思っている原因が職場環境にあるのなら、素直に辞めて良いと思います。
上述したように、作業療法士や理学療法士は1年目であっても転職する人がいくらでもいる業界であり、若手が優遇される業界なので転職先はすぐに見つかるでしょう。
つまり、辞めたい職場で我慢して頑張り続ける意味があまりないということです。
何度も言いますが、職場というのは人生の大半を過ごすことになるかもしれない場所なので、自分が気持ちよく働ける環境を第一に選ぶべきです。
自分を一番大切に、自分をまず第一に。
後悔のない選択をして下さい。
今回はこれで終わります。
最後まで読んでいただきありがとうございました!